ストーリー
津波の襲来によって砂に没した村に、11歳と8歳の姉妹が帰還する
ふるさとの海辺の村で、少女たちの心の旅が始まる
霧の朝、津波で家族を失った幼い姉妹(11歳と9歳)は、海辺の村に帰還する。
一本のロープで結ばれた姉妹の目的は、波にさらわれた家族を探し出し、浜辺に「家」を作ること。
だが、海辺の村は砂に没して、家族で楽しく暮らしていた痕跡すらない。
目の前に広がる海は、幼い姉妹にとって家族と過ごした思い出が宿る海である、と同時に、家族の命を奪った憎しみの海でもある。
生と死の境界線、すべてが失われた場所で、家族の思い出の破片を拾い集め、もう一度、二人だけで「新しい家」を作ろうとする。
浜辺で流木を集め、家を作り続ける姉妹。
疲れ果てて眠る姉妹の夢のなかに、次々と家族が姿を現す…。
喪失と悲嘆、絶望と虚無、記憶の海にひとすじの希望を求めて、現実と幻想が錯綜する夢幻的な世界で、少女たちの心の旅が始まる…。
© 2015 シロナガスクジラに捧げるバレエ