監督・撮影・編集 坂口香津美
製作・配給 スーパーサウルス (2014年/93分/16:9/カラー/日本)
老いを幸せに生き抜く一つの答がここにはある-
2014年の東京国際映画祭で「力強い作品。胸を締め付けられるような悲しい場面もあるが、驚くほどユーモアにあふれている」(Nippon.com)など、衝撃のあとに押し寄せる深い感動と涙が観客を包み話題を呼んだドキュメンタリーがついに公開となる。
家族、友人など、大切な人を喪うこと。
そして、老いるという逃れられない現実。
『抱擁』は、一人の女性がこの二つの厳かな現実と相まみえながら、どうやって生きていくかを、息子が撮影するカメラを通じて描く。
監督の坂口香津美はこれまで200本以上のTVドキュメンタリーを作り続けてきた。映画『青の塔』、『カタルシス』、ロッテルダム国際映画祭ほか国内外で高い評価を得た『ネムリユスリカ』、ドキュメンタリー映画『夏の祈り』、次回作『シロナガスクジラに捧げるバレエ』(2015年渋谷ユーロスペースにて公開)など、逆境に生きる人々の姿を独自の視点と映像美で表現している。
音楽は、武蔵野音楽大学大学修士課程作曲専攻卒の24歳の新進気鋭の作曲家・大沢充奈。演奏の齋藤有以、若山皓平の二人は武蔵野音楽大学に在籍中である。
物語
坂口すちえは長女を病気で亡くし、夫(坂口諭)も入院、精神安定剤が手放せない日々を送っていた。
精神の混乱に陥った母を深く理解するために、息子(監督の坂口香津美)はカメラを向ける。
すちえが介護ヘルパーを初めて部屋に招き入れた日から、ほどなくして夫は他界。
妹のマリ子は、変わり果てた姿となった姉をこのまま東京で一人で生活させることはできないと、郷里の鹿児島県種子島に連れて帰る。
太陽と海と緑の島で、姉を立ち直らせるために妹の献身的な介護と苦闘が始まった。
38年ぶりの帰郷、すちえの「第4の人生」の幕開けだった…。
※「第4の人生」とは…
第1の人生…結婚するまで
第2の人生…子どもの誕生から巣立ちまで
第3の人生…夫婦で生きる
第4の人生…夫(妻)が亡くなり、一人で生きる